やの・あかね フリーのアニメーターとして活躍中。携わった主な作品に、キャラクターデザインを務めた「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」、作画監督を務めた「3月のライオン」、メインアニメーターをつとめた「ニセコイ」などがある。2017年4月より放送の「喧嘩番長乙女-Girl Beats Boys-」ではサブキャラデザインを担当する。
「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」キャラクターデザイン、「喧嘩番長乙女-Girl Beats Boys-」サブキャラデザインなどを担当し、 アニメーター以外にもラジオやテレビ出演もこなす矢野さん。その幅広い活動によって、感性を磨き、表現の幅を広げている。
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?
3月のライオン
「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」で初めてキャラクターデザインを担当しました。アニメはほとんどの場合原作があるので、デザインをする際にはキャラクターの雰囲気を崩さないように、そのキャラクターの特徴をわかりやすく描くことを心がけています。アニメ制作では、大好きなアニメーターさんと関われるのも喜びのひとつです。
もともとアニメーターと声優、どちらの仕事にも興味があり、両方の勉強をしていました。しばらく同時進行で学んでいましたが、白い紙と鉛筆でいろいろな世界を作り出すことができる作画の世界に魅力を感じて、アニメーターをめざすことに決めました。学校で学んだ動画の基礎、線の使い方やキャラクターを似せること、描きわけることなどは今でもとても役に立っています。また、学校の教室にはフリーで活動する先輩のアニメーターの方が作業をしていて、生の現場の素材を見せてもらえたのも貴重な経験でした。
プロのアニメーターになって多くの作品に携わってきましたが、その中でも嬉しかったのが、大好きな作品で、自分が描きたいと思っていたお風呂のシーンを担当させてもらったことです。このことに限らず、自分がやりたいことをしっかりと周りにアピールすると、希望する仕事をもらえたことがあったので、自己主張は大事だと感じました。 またプロになって驚いたのが、アニメーターの少なさでした。アニメ作品はたくさんあるのに、それを描く人が少ないので、作品の後半になるにつれて、制作スケジュールがタイトになっていくのがとても大変です。ですが、絵を描いているのはとても楽しいので、ずっと絵を描いていられるアニメーターというお仕事を選んでよかったです。
絵を描く際に、声優をめざして演技の勉強をしていた経験が役に立つことがあるので、今後も机の上で「描く」ことだけでなく、さまざまなことに挑戦していきたいです。いろいろな経験をすることで感性は磨かれ、表現の幅は広がっていくと思います。いま、自分が好きなものがある方は、それに向かって一歩踏み出してください。それはきっと将来の自分の武器になると思います。