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プロを目指すためのお役立ちコラム
訛りがあるけどどうしよう……イントネーションの直し方

地方出身の人が声優を目指す場合、どうしてもネックになるのが「言葉の訛り」です。アニメや映画の吹き替え、テレビのナレーションなど、声優として第一線で活躍していくためには、標準語が話せることは必須条件とも言えます。
とはいえ、言葉の訛りというのは自分自信では気が付きにくく、一度身に付いてしまった訛りは一朝一夕に直るものではありません。
そこで今回は、声優志望の人が抑えておきたい、イントネーションの直し方についてそのポイントを詳しくご紹介します。
声優が標準語をマスターしたほうがいい理由
そもそも、なぜ声優は標準語を話せなくてはいけないのでしょうか。その一番の理由は、誰が聞いても同じように理解できる言葉が、標準語(共通語)だからです。
特にアニメの声優や海外ドラマの吹き替えなどは、聞いている人が話している内容を一瞬で理解できなくてはストーリーが分からなくなってしまいます。
標準語であれば、意味をいちいち考えなくても自然に理解することができるため、声優の仕事の多くは標準語で行われるのです。
また、標準語を話しているつもりでもイントネーションが違っているとやはり問題になります。特に声優の台本にはイントネーションについての表記はありませんので、常に正しいイントネーションで発音できるように普段から標準語をマスターしておく必要があるのです。
逆に訛りがメリットになるという場合も
声優として仕事をしていくためには、標準語が話せることは必須条件です。では、訛りのある地方出身者が圧倒的に不利なのかというと必ずしもそうとは限りません。
例えば、アニメのキャラクターの中には大阪弁や東北弁など、標準語以外を話すものもあるからです。その場合は、方言指導などの先生が付くのが一般的ですが、もともと標準語を話している人が方言を身に付けようと思っても、どうしても不自然な仕上がりになってしまいます。自分の地域の訛りで表現する機会があれば、その方言を話せることがチャンスにつながることもあるというわけです。
とはいえ、訛りというのはあくまでもプラスアルファの武器であって、それだけで勝負できるものではありません。完璧な標準語に近付けられなかったとしても、声優を目指すのであればできるだけ早い段階からイントネーションの矯正をスタートするのがおすすめです。
イントネーションの直し方と練習方法
言葉の方言は意識すればある程度標準語に直すことができますが、イントネーションを標準語に直すというのはなかなか大変です。
では、実際にイントネーションを標準語に直すにはどうしたらいいのでしょうか。具体的なトレーニング方法について詳しく見ていきましょう。
アクセント辞典を購入する
声優やアナウンサーなど、話すことを職業としている人の多くが活用しているのが「アクセント辞典」です。「雨」と「飴」、「箸」と「橋」といった同音異義語のように発音によって意味が変わる言葉などについて、正しいアクセントを学ぶことができます。
アクセントの辞典としてはNHKから出版されている「日本語発音アクセント新辞典」や、三省堂出版から出ている「新明解日本語アクセント辞典」などがあります。前者は「放送で用いるのにふさわしいことばの発音・アクセント」を重視していて、後者は「76,600語の標準的なアクセント」を重視しているなど、それぞれに特徴が異なります。初心者の場合には、より正しくアクセントを学ぶことができるCD付きのものがおすすめです。
アナウンサーやナレーターのアクセントを意識して聞く
訛りを直すためには耳を鍛えることも大切なポイントです。テレビのニュースやラジオなどを活用して、アナウンサーやナレーターが話す標準語のアクセントを意識して聞く時間を作りましょう。ただし、地方局の番組では標準語以外の言葉が話されていることもあるため注意が必要です。
標準語の友達を増やす
「習うよりも慣れよ」と言うように、標準語を身に付けるためには実際に話す機会を増やすことも効果的です。標準語を話す友達を作ったり、バイト先で見つけるなどして、普段の会話で標準語を耳にして、自分でも話す機会をどんどん増やしていきましょう。標準語を真似して普段から話をすることでイントネーションが少しずつ直っていく傾向があります。常に意識して標準語を話すようにしてみてください。
自分の声を録音して聞いてみる
自分が話している訛りというのは、自分ではなかなか気が付かないものです。まずは自分がどんな話し方をしているのかを客観的に知るためにも、一度自分の声を録音して聞いてみましょう。聞いてみると、訛りはもちろんのこといままで気付かなかった自分の声の癖が見つかるかもしれません。
標準語は一朝一夕に身に付くものではありません。声優オーディションを受ける直前に慌ててトレーニングを始めるのではなく、声優を目指すのであれば早い段階から上記の内容を参考にして、少しずつイントネーションを直していくことが大切でしょう。