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どんな工程を踏む? 漫画制作の流れをご紹介

どんな工程を踏む? 漫画制作の流れをご紹介

1本の漫画作品を制作する一連の流れは、プロのものでも素人のものでも大きく違いはありません。とはいえプロ漫画家には編集者との打合せにより、編集部の意向に沿った作品を一緒に作り上げる必要があります。プロの漫画家が1本の連載漫画を仕上げるまでの制作行程の一般的な例をご紹介しましょう。

漫画制作の一般的な流れ

プロの漫画家は、どのような流れで漫画制作をしているのでしょうか。作画などの具体的な作業に関してはアマチュアとさほど変わりませんが、大きく違うのは、その前段階です。アマチュアは自分の好きなようにストーリーを決めて漫画を描くことができますが、プロの漫画家は編集部の意向に沿い、編集者とともに制作を進めなければいけません。漫画制作の一般的な流れを解説します。

1.企画・打合せ

出版社の編集部で定期的に行われる編集会議で、漫画の連載が決定したとします。まずは漫画家が編集者に呼ばれ、連載開始の決定と内容の打ち合わせが行われます。この打ち合わせでは大まかな連載内容と編集部の要望、ページ数や連載期間などが伝えられます。

2.プロット

打ち合わせ内容を受けて、漫画家はその作品のプロット(おおまかなあらすじ)やキャラクター、時代や場所などの設定、物語の構成を考えて担当編集者に分かる形で提出します。担当編集者はそれらをチェックし、ときには編集部内で共有して意見を出し合って、必要なら修正の指示を出します。
その後、読者の連載への期待感を盛り上げるために重要な第一話目の構想と、設定や伏線を生かし切るためのより詳しいあらすじなどを作成していきますが、これらももちろん編集者のチェックを受け、必要に応じて打ち合わせを重ねながらの作業となります。

映画やTVドラマなどといった表現方法と違い、どんなにスケールの大きな物語でもたったひとりの手で生み出すことができるのが漫画という表現手段のひとつの特徴ではあります。とはいえ、漫画家の「描きたいもの」と編集サイドの求める「売れるもの」がぴたりと一致することはなかなか難しいというのが現実です。商業ベースでの作品制作は、漫画家の独断で行うことは難しく、多くの人の手を借りて生み出すことになるのです。

3.ネーム

あらすじと設定、構成などが決まったら、実際の作品制作に入ります。月刊や週刊の長期連載の場合は、今後の作業は掲載を続けながらのノンストップ作業となるのです。連載各回の制作はまず「ネーム」と呼ばれるラフスケッチのようなものを作ることから始まります。コマ割りをして、それぞれどこにどのような絵やセリフが入るのかをざっと配置してみる作業です。
このネームは、編集者に各回の流れとイメージを伝える大切な要素でもあり、できあがったら編集者のチェックと指示を受けます。

4.下書き

ネームがOKとなったら入稿用の原稿用紙にネームの通りに下描きしていきますが、最初から原稿用紙に下書きを描き、これをコピーして編集者にネームとして提出する漫画家もいます。
どちらにしてもこの段階で活字にするセリフや演出は決定し、編集者は必要に応じて作画と平行して写植(写真版下)を用意しておきます。用意した写植を入稿時に原稿に貼り込むことで、制作時間を短縮することができるのです。

5.ペン入れ

下描きができたら、ペン入れをしていきます。いわゆる「清書」です。描く対象によってGペン、かぶらペン、丸ペンなど、いくつかのペンを使い分けて表現を工夫しながら描いていきます。漫画家によっては、効果を出すために筆やマーカーを使うことも。

メインのキャラクターは漫画家本人が描くことが一般的ですが、背景や小物などは、アシスタントが作業をするケースも多く見られます。

6.ベタ塗り、トーン貼り

ペン入れがすんだら、ベタ塗りやトーン貼りをします。アシスタントを雇っている漫画家の場合は、アシスタントが担当することがほとんどです。

ベタ塗りは、髪の毛など指定された部分を黒く塗りつぶす作業です。筆ペンやポスターカラー、マーカーなどがよく使われる道具ですが、気をつけたいのは、ペンを入れたラインからはみ出さないようにすることです。また、塗り残しやかすれがあると目立つので、作業には細心の注意を払います。

トーン貼りは、スクリーントーンと呼ばれる模様のついたフィルムをペン入れした原画に合わせてカッターで切り、貼りつけていく作業です。服の模様、背景効果など、多種多様な模様があります。

7.仕上げ

ベタ塗り、トーン貼りがすんだ原稿を最終チェックする工程が仕上げです。ベタの塗り残しやはみ出し、線のかすれやセリフのヌケ・モレはないかなど、1枚1枚確認します。はみ出しなど、印刷されてはまずい部分はホワイトで修正します。プロの場合、鉛筆書きしたセリフ(ネーム)は編集部が写植で入れるので、誤字や脱字がないかを確認することも大切な仕上げ作業です。

集中して作業し、仕上げた原稿は、印刷所にまわされ、誌面となって読者のもとに届けられるのです。

ストーリー展開や連載回数は、読者の反応に左右される

作品が掲載された雑誌などが発売されると、編集者は読者の反応を知るために読者アンケートなどをチェックします。このアンケートで作品への評価が高くないと、残念ながら当初予定より早く連載を終了する打ち切りといった結果にも繋がるのです。また、回を重ねるごとに読者の反応を見ながらどのような展開が好評を得ているかを分析し、その後の展開に指示を出すのも編集者の仕事です。読者の反応が作品のストーリー展開を変えていくということも多くあります。

プロの描く漫画作品は制作の流れの中で、編集者や読者といった他人の反応を気にする必要が出てきます。ここがすべて自分の思い通りに描くことができる趣味の漫画制作と大きく異なる点となっているのです。

漫画の制作は、ご紹介したような流れで進めていきます。アマチュアの場合は、編集者との企画・打ち合わせなどは発生しませんが、プロット以降はほとんど同じ工程をたどります。今のうちから全体的な流れをしっかりと把握し、その流れにそって描く練習をしておくといいでしょう。プロの世界でもすぐに通用する実践力を養うことができます。

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