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プロを目指すためのお役立ちコラム
何に注意すればいい? 出版社に漫画を持ち込みする方法とメリット

漫画家になるには、いくつかのルートがあります。新人賞に応募する、SNSでアピールするといったことの他、出版社に漫画の持ち込みすることもひとつの方法です。実力が認められれば、そのままデビューへの道が開ける可能性もあります。持ち込みをして、プロの編集者のアドバイスを仰ぎましょう。今回は、出版社に漫画を持ち込みする具体的な方法についてお伝えします。
出版社への持ち込みのために準備すること
「描いた漫画を出版社に持ち込みたい」と思ったら、すぐに準備を始めましょう。順を追って説明します。
完成原稿を用意する
ペン入れした完成原稿を用意することが基本です。ストーリー部分だけでなく、タイトルページも仕上げていきましょう。「これを見てもらいたい」という完成原稿がすでにあるのであれば、それを持って行けばOKです。
持ち込みする編集部にアポイントを取る
持ち込みをしたい編集部に連絡をして、必ずアポイントを取りましょう。アポなし訪問では、まず会ってもらうことはできません。基本的には編集部に電話をかけて「漫画の持ち込みをしたい」という旨を伝えるだけで、日時の調整などを行ってもらえるでしょう。電話をかけるのはなかなか勇気のいることですが、編集部は持ち込みの対応には慣れていますから、心配の必要はありません。
ただし、編集者は多忙な人が多く、希望通りの日程が取れないこともあります。自分のスケジュールにある程度の余裕を持ち、先方の提示した日時に訪問できるように調整をしましょう。緊張すると忘れがちですが、約束した日時、担当者の名前は復唱し、メモに残しておきます。
なお、最近はメールで連絡を取るケースも増えているようです。希望する雑誌の告知やWebサイトをチェックし、もし「持ち込みの連絡はメールで」等の記載がある場合は、それに従いましょう。
出版社に持ち込みをするメリット
出版社への持ち込みは緊張するかもしれません。しかし、プロを目指す人にとっては、次のようなメリットがあります。
編集者の意見を直接聞ける
日々、漫画の編集にあたっているプロの編集者から意見を聞けることは、とても勉強になります。絵の描き方、ストーリー展開やキャラクター設定など、率直なアドバイスをもらえます。もちろん、厳しい言葉が返ってくることもあるでしょう。しかし、その言葉から、自分に足りないもの、磨かなければならないことが必ず見つかります。ほめてもらえたなら自信につながりますし、その部分を伸ばしていけばいいわけです。自分だけでは気づかないことに、編集者は気づかせてくれます。
疑問があったらプロに質問できる
普段漫画を描いていて疑問に感じること、わからないこと、漫画業界の動向などについて、編集者に質問できることも大きなメリットのひとつです。時間は限られていますが、一人では答えが出せずにモヤモヤしていることがあったら、ぜひ尋ねてみましょう。質問は、熱意をアピールするチャンスにもなります。
見込みがあればそのまま担当が付く可能性もある
漫画の持ち込みをした結果、編集者に「見込みがある」と思ってもらえれば、そのまま担当になってもらえる可能性もあるのです。「ここを描き直して、もう一度見せて」「他の作品も見たい」と言われることもあります。
出版社への持ち込みで意識したいこと
出版社に持ち込みをする際には、次のことを意識するといいでしょう。
アポの電話や約束は午後の時間帯にする
出版社にもよるのですが、午前中の電話はつながりにくく、担当者が不在ということもよくあります。アポ取りの電話は午後にかけ、会う約束も午後の時間帯で調整できるようにしましょう。
当日はメモを取れる準備をしていく
ただ作品を持って行くのではなく、必ずメモの準備をしていきます。緊張していると、何を言われたのか忘れてしまいがちです。また、メモも取らずに編集者の話を聞いていたのでは「やる気はあるのか?」と思われかねません。
編集者のひと言ひと言は、自分の漫画をよりいいものにするためのアドバイスです。しっかりと書き取り、今後に役立てるようにしましょう。また、質問したいことがある場合は、あらかじめメモ用紙にまとめておけば聞き忘れを防げます。
何社か掛け持ちして回ってみる
出版社ごとにカラーがありますし、担当者が違えば見る目も変わります。あちらの出版社ではイマイチだった感触が、こちらの出版社ではいい感じだったということも実際にあるので、何社か掛け持ちして回るといいでしょう。
その際、自分が描く漫画と雑誌のテイストが合っていることが大事です。1つの出版社で読者対象が異なる雑誌を複数発行しているケースが多いので、実際にその雑誌に掲載されている漫画を読んでから、どの編集部に持ち込みするかを決めるようにしましょう。
なお、1日に掛け持ちして回る場合は、時間に余裕を持ってスケジュールを組むことがポイント。持ち込みの所要時間は大抵15~30分程度ですが、場合によっては長引くこともあります。
出版社への漫画の持ち込みは、緊張する反面、とても勉強になるものです。一度経験すると要領がわかるので「慣れてくる」という声も聞きます。事前の準備さえしっかりすれば、恐れることはありません。電話をかけるときに緊張するなら、話す内容をメモ書きしておくと安心です。夢の実現に向けて、勇気を出して一歩踏み出しましょう。